【腫瘍】骨軟骨腫

またCTでは軟骨帽は石灰化をしばしば伴う

多発性も基本無痛なのだが、尺骨短縮・橈骨弯曲も合併し強制骨切りも必要になることも

脛骨腫瘤による腓骨弯曲変形は腫瘍摘出と共に自家矯正されることも多い

【腫瘍】単純性骨嚢腫

追記 
●なぜ骨折を生じるのか?
嚢胞拡大に伴い皮質骨菲薄化する為

●液体の成分は?
単純性骨嚢胞なら血清成分
COHEN J. Simple bone cysts. Studies of cyst fluid in six cases with a theory of pathogenesis. J Bone Joint Surg Am. 1960 Jun;42-A:609-16. PMID: 13849417.

●鑑別?→手術の際に病理検体とるのは必須
線維性骨異形成症:皮質骨が繊維組織に置換される病


動脈瘤性骨嚢腫:貯留液体が血液


骨巨細胞腫:破骨細胞様の巨細胞が増殖する骨腫瘍 悪性腫瘍ではないが骨破壊性強い

●Fallen fragment signとは?
CT画像で骨嚢胞内に骨片を認める所見

●骨片かどうかの見極め方は?
MRIでT1 high T2 high STIR(脂肪抑制)で低信号なら骨片と考える

●固定方法(大学病院で腫瘍班所属経験ありの上級医に教えてもらった内容)
①腫瘍掻爬し人工骨挿入
②大腿骨頚部骨折なら吸収性スクリュー3本挿入考慮
③大腿骨転子部や骨幹部、上腕骨ならEnder釘考慮
④転子部骨折ならCHSでの固定も良いかも?

エンダー釘は骨嚢胞も破壊しつつドレナージも可能かつ成長軟骨板侵襲も少ない。また完全に空洞化できれば骨形成も促進される。よって固定機種としては考慮してよいかと(私見)

以下単純性骨嚢胞に対する掻爬+人工骨移植+Ender釘加療の報告
●対象37例(上腕骨19,大腿骨12,脛骨2,尺骨1)
平均年齢11.7歳
●方法
上腕骨:術後2~4週から自動運動開始
下肢:術後4~6週から荷重開始
●結果
全例癒合(術後平均8週)
感染、再骨折、抜去なし
4例変形癒合
Erol B, Onay T, Çalışkan E, Aydemir AN, Topkar OM. Treatment of pathological fractures due to simple bone cysts by extended curettage grafting and intramedullary decompression. Acta Orthop Traumatol Turc. 2015;49(3):288-96. doi: 10.3944/AOTT.2015.14.0108. PMID: 26200408.

また病的骨折なしならドレナージだけでも治癒率は91.7%ほど(引用文献より)

Percutaneous intramedullary decompression, curettage, and grafting with medical-grade calcium sulfate pellets for unicameral bone cysts in children: a new minimally invasive technique


●踵に生じた際の鑑別疾患は?
症状:足底腱膜炎、踵部滑液包炎、足根管症候群
画像:骨内脂肪腫、動脈瘤様骨嚢腫等



【脊椎】硬膜内髄外腫瘍

実臨床では髄膜腫と神経鞘腫の鑑別をつけるのが大事(私見)
以下髄膜腫と神経鞘腫の鑑別
●共通項
①MRI
T1強調で低~等 T2強調で等~高信号
②手術適応
症状を有した時(おおよそ下肢痛や感覚障害、筋力低下等)
③良性腫瘍
ガンの様に他の部位に転移はしない


↑このような人工硬膜を摘出後用いる

神経根だと末梢神経に相当するので下図が当てはまる

いわゆる砂時計腫(ダンベル腫瘍)

おまけ
私が用いている髄膜腫・神経鞘腫鑑別フローチャート