【脊椎】化膿性脊椎炎は絶対心エコー→感染性心内膜炎(IE)

高齢化が進む中比較的整形外科内ではメジャーになりつつある疾患なので心エコーもルーティン化しても良いかもしれない

●参考文献

Koslow M, Kuperstein R, Eshed I, Perelman M, Maor E, Sidi Y. The unique clinical features and outcome of infectious endocarditis and vertebral osteomyelitis co-infection. Am J Med. 2014 Jul;127(7):669.e9-669.e15. doi: 10.1016/j.amjmed.2014.02.023. Epub 2014 Mar 6. PMID: 24608019.

Habib G, Hoen B, Tornos P, Thuny F, Prendergast B, Vilacosta I, et al. Guidelines on the prevention, diagnosis, and treatment of infective endocarditis (new version 2009): the Task Force on the Prevention, Diagnosis, and Treatment of Infective Endocarditis of the European Society of Cardiology (ESC). Endorsed by the European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases (ESCMID) and the International Society of Chemotherapy (ISC) for Infection and Cancer. European heart journal. 2009; 30: 2369-2413. Epub 2009/08/29.

【脊椎】頚椎装具の可動域制限効果(最大100%として)

参考文献
Johnson RM,et al Cervical orthoses. A study comparing their effectiveness in restricting cervical motion in normal subjects. J Bone Joint Surg Am. 1977

術後の装具の使い分け
◯除圧術のみ
ソフトカラー2週間程度 もしくは装着せず
(椎間関節残せているのならば)

◯固定併用時
ソフトカラーもしくはフィラデルフィア装具を術後2ヵ月程
→ほぼ骨移植しているので移植骨が生体に馴染むにはそれぐらいはかかる為

参考文献
徳橋 泰明 編 新執刀医のためのサージカルテクニック 脊椎

【脊椎】硬膜内髄外腫瘍

実臨床では髄膜腫と神経鞘腫の鑑別をつけるのが大事(私見)
以下髄膜腫と神経鞘腫の鑑別
●共通項
①MRI
T1強調で低~等 T2強調で等~高信号
②手術適応
症状を有した時(おおよそ下肢痛や感覚障害、筋力低下等)
③良性腫瘍
ガンの様に他の部位に転移はしない


↑このような人工硬膜を摘出後用いる

神経根だと末梢神経に相当するので下図が当てはまる

いわゆる砂時計腫(ダンベル腫瘍)

おまけ
私が用いている髄膜腫・神経鞘腫鑑別フローチャート

【脊髄】慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)

※厳密には神経内科領域の疾患だが、腰部脊柱管狭窄症と鑑別を要する事もあるので脊椎枠に

●鑑別
ギラン・バレー症候群
・類似点
末梢神経が自己免疫により侵される
(厳密にいうとCIDPは自己免疫かどうかは仮説レベル)

運動神経が侵されやすい

・相違点
ギラン・バレー症候群は一過性
CIDPは寛解と再燃を繰り返す

ギラン・バレー症候群は呼吸筋や脳神経に障害生じることもある
CIDPは稀

●整形外科領域で気をつける事
脊柱管外の神経根や神経叢がMRIで腫大+四肢しびれ・運動障害あればCIDPも考慮
神経内科に相談すること

↓他追記項目
●疫学
2-5/10万人

●症状
箸が持てない、腕が上がりにくい等
疼痛は伴わない事多い

●予後追記
3種類の治療法のいづれかは効果あること多く予後良好ではあるが
神経根腫大は非可逆的で戻らない

●医療補助について
CIDPは指定難病に該当し、医療費助成対象疾病に含まれる為申請忘れずに



↓参考サイト
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4089#:~:text=%E6%85%A2%E6%80%A7%E7%82%8E%E7%97%87%E6%80%A7%E8%84%B1%E9%AB%84%E6%80%A7%E5%A4%9A%E7%99%BA%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%82%8E%EF%BC%88chronic,%E7%96%BE%E6%82%A3%EF%BC%88%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%82%8E%EF%BC%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

https://radiopaedia.org/articles/chronic-inflammatory-demyelinating-polyneuropathy

【脊椎】頚椎症性筋萎縮症(CSA)

追記

●ALSとの鑑別法

①僧帽筋に着目

→副神経支配 (C3~5から発生し一旦上行して迷走神経や舌咽神経と同じ孔からでるので前角・前根障害になっても影響なし)

②筋力低下の形式

・ALSはびまん性。区別がつかない。

 CSAは髄節性。明確に分かる。(例:三角筋が選択的に萎縮)

●近位型(Keegan型)

三角筋萎縮が上腕二頭筋萎縮より著明

→よって三角筋に着目する

回外筋も萎縮される(C6)

肩腱板断裂との鑑別は回外筋や上腕二頭筋を見る

→腱板断裂ならこれらの筋は障害されない

●遠位型

下垂指が特徴→後骨間神経麻痺との鑑別が大変

どちらも感覚障害を来さない下垂手

(引用http://igakukotohajime.com/2020/09/21/%E6%A9%88%E9%AA%A8%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%BA%BB%E7%97%BA-radial-nerve-palsy/)

以下で見極める(当てはまればCSA)

Ⅰ.肩甲間部あるいは肩甲骨部の痛みで発症しその後に下垂指をきたす。

Ⅱ.Spurling testで項肩甲骨の痛み、あるは頚椎運動制限がみられる

Ⅲ.上腕三頭筋に筋力低下が見られる

Ⅳ.手の内在筋 第1背側骨間筋、小指外転筋、母指内転筋(いずれも尺骨神経支配)に筋力低下があり

Ⅴ上腕三頭筋反射の低下