【RDA:Rapidly Destructive Arthropathy】

●補足
RDAとSIF(Subchondral Insufficiency Fracture)の病理
骨折像が類似&骨軟骨破壊産物を含む肉芽腫が多数含まれる

●鑑別疾患
特発性骨頭壊死(ION)
◯鑑別方法
①MRI
どちらもT1強調でlow signal bandとなるが見え方が少し違う
ION:帯状 骨頭骨皮質が脆くなり荷重が中心部分に移動する
SIF:不規則に蛇行。途中で途絶したり中枢側に凸の形を呈する
(骨折とそれに伴う修復反応が原因?)


②病理
ION:軟骨下骨折認めるも壊死層、修復反応層、健常層が明確
SIF::軟骨下骨折の周囲に白色調肉芽組織が存在

③病歴・患者背景
ION:ステロイド使用歴やアルコール多飲、潜水病等
SIF:骨粗鬆症、肥満

●造骨性変化はない理由
急速に破壊が進むため骨棘が形成される暇すらない為

※肩では症例報告が散見される程度である

参考文献
Kim MS, Kim JY, Kim JD, Ro KH, Rhee YG. Rapidly destructive arthropathy of shoulder joint. J Shoulder Elbow Surg. 2019 Dec;28(12):2334-2342. doi: 10.1016/j.jse.2019.04.035. Epub 2019 Jul 9. PMID: 31300369.

60 歳以上で特発性大腿骨頭壊死を疑われた症例の画像および病理組織学的所見の再検討(第二報)

【肩】肩関節窩骨折分類法~Ideberg分類~(Ideberg R,et al.Acta Orthop Scand. 1995)

治療戦略

TypeⅠ
関節鏡下での骨接合術(側臥位)
Bankart損傷の修復術に基づいた方法でOK
アンカーを用いたDaff法での加療が多い
※骨片が関節窩面積25%以下,不安定性なし,骨片10mm以下なら保存療法も可(骨折・脱臼 第4版)
※TypeⅠaなら保存も多い

TypeⅡ,Ⅲ
関節鏡下での骨接合術(ビーチチェア位)
骨片大きい為スクリューでの固定が基本

TypeⅣ以降
直視下での骨接合術
適宜プレート使用も考慮する

引用文献&画像引用↓

Ideberg R, Grevsten S, Larsson S. Epidemiology of scapular fractures. Incidence and classification of 338 fractures. Acta Orthop Scand. 1995 Oct;66(5):395-7. doi: 10.3109/17453679508995571. PMID: 7484114.

平野 哲也ら DAFF 法にて鏡視下骨接合術を行った肩甲骨関節窩骨折の治療経験 Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal 18:102-106,2013