●総論 ①骨の外側で骨芽細胞が骨作る ②骨芽細胞が自らの作った骨に埋もれて骨細胞になる ③骨の内側で古くなった破骨細胞が骨を壊す というのがざっくりとした流れ ●各論(関連疾患や薬剤も交えて説明) ①骨芽細胞 骨形成細胞から分化したもの骨の表層で骨を作成 ※厳密には類骨層を形成 類骨がカルシウム・リンと結合しハイドロキシアパタイト結晶となり膠原繊維の間に沈着し骨基質となる。 リンが何かしらの理由で低下すると結晶を作れなくなるため骨強度は弱くなる (所謂くる病・骨軟化症状態) ②骨細胞 骨芽細胞が自ら分泌した骨基質に閉じ込められたもの 骨小腔に収まる 周囲の骨細胞同士と突起で連結し情報交換骨にかかる負荷を監視FGF23(リン排泄するホルモン)やスクレロスチン(骨芽細胞分化抑制するホルモン)も放出 ※FGF23産生低リン血症性くる病・骨軟化症も存在する X染色体遺伝性かFGF23産生腫瘍によることも ビタミンD製剤使用しても効果が乏しいのが特徴(血中Caは正常)
※スクレロスチンの働き ①骨芽細胞を活性化させるWnt因子を抑制 ②破骨細胞を活性化させるRANKL分泌を促進 ちなみにRANKLが破骨細胞に結合するのを邪魔する薬がデノスマブ(プラリア) スクレロスチンが各因子と結合するのを邪魔する薬がロモソズマブ(イベニティ) 各働きから考えるとプラリアは骨を固くのみだが、イベニティは骨を固くする&骨を新しく作る効果がある※但しどちらの薬剤も古い骨は残ったままである
また定期的に骨に刺激がないと、スクレロスチンが分泌亢進し骨が脆くなってしまう
③破骨細胞 ●機能 骨を破壊(吸収)する→古くなった骨を新しくする為 ※メカニズム 酵素や水素イオンを放出し骨コラーゲンやカルシウム塩結晶を融解させる ●構造 多核細胞(5~20個) 骨との接触面は【波状縁(Ruffled border)】を形成 →アクチンフィラメントが多く含有しており明帯とも言われる
骨吸収で生じた凹みを【Howship窩】
●機能調節 副甲状腺ホルモンで促進 →血中Ca濃度上げたいから カルシトニンで抑制 ※血中カルシウムが低下したときも破骨細胞が活躍する 副甲状腺ホルモン(PTH)が血中Ca下がった時活性化するのは PTH分泌→破骨細胞活性化→骨溶かす→血中Ca上げる という理由のため